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episode16:身の程知らずの[02]

  1. 武士「これ、修学旅行のお土産です!」「いつもより中間考査の点がよかったし、そのお礼も兼ねて!」那津「そ、そう…ありがとう…」「どこ行くって言ってたっけ?」武士「沖縄でーす」
  2. 那津「あれ…ふたつ?」武士「そ!それも!」「それ、お土産屋さんで見掛けて、あっ、ほら、こないだの忘れ物、どっちもその…そのキャラのグッズだったでしょ。好きなのかなってひらめいて…」
  3. 武士「ご、ごめん。もしかして違った?もし困るなら、俺、引き取…」那津「あっ、いや…」「ちょっと驚いただけ。細かいこと、よく覚えてるなあって…」武士「キーホルダーはたまたま見掛けて思い出して、でも、せっかくなら喜んで欲しいし」「コーヒーいつもブラックだから、お土産はお菓子じゃなくて、甘くないお茶にしようとか、そういうのは一応ね」那津「………」
  4. 那津「そう…あの……ありがとう」武士「………!」「……
ど、どっ、DWJにはよく行くんですか?」那津「えっ、あ、そうね…。最近はちょっと行けてないけど」武士「俺も昔、行ったことあるみたいで。いろいろあって覚えてないけど、写真残ってて」「でも不思議ですよねー」
  5. 武士「今まで全然興味なかったのに、昔の写真見返したり、DWJのこと調べたり」「あ、もしよかったら」「今度一緒に、DWJに行きませんか!?」
  6. 武士※回想「あ、俺、そろそろバイト行かなくちゃ」「また俺ばっか喋っちゃった」「じゃあまた来週!」那津「………」武士※回想「今度一緒に、DWJ行きませんか!?」那津※回想「そっ…」
  7. 武士※回想「あっ、すみません」「そんな困らせるつもりじゃ…」「興味ついでに行ってみるのもいいなって思って、一ノ瀬さん、最近行けてないって言ってたから、つい…」「ただの思いつき!気にしないでください!」那津(こっちの気も知らないで)(今日、わたしが、どんな気持ちでここに来たと…)「………」武士※回想「あっそうだ。もうひとつ渡すものがあるんだった!」「これ、ウチの学校の文化祭の入場券」「俺、実行委員長するんです。気が向いたらぜひ!」
  8. 武士※回想「来たら絶対連絡くださいね。バタバタしてると思うけど、カラダあけて案内するんで!」那津(………)〈あの子といるとわたしは、自分の立場を忘れてしまう〉武士〈文化祭に誘ったのは、高校生の俺を見てもらって、信頼関係を築く作戦のひとつ〉〈…まあ、全く私情が入ってないかと言われたら、嘘になるけど〉(反応ビミョーだったなあ。DWJも拒否られたし)

どちらかというと那津メインの、前半:武士・那津編でした。
那津は比較的きちんとしたひと(だから美咲の件も、知らなかったとはいえ責任を感じている)なので、スーパーポジティブマインドな武士の無邪気さは、時に毒です。生命の活動に必要な日光も強すぎれば痛い、みたいな。

次からは後半:康文・美咲編です。
下書きはすでに終えているのですが、いざペン入れをしようとするとおかしなところに気付いて下書きを描き直すという不治の病に罹っているので、のんびりお待ちいただけると幸いです。

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